Nal(Tl)シンチレーション検出器の宇宙線に対する応答特性の解析

長岡 鋭; 森内 茂

JAERI-M 85-058, 40 Pages, 1985/05

JAERI-M-85-058.pdf:1.87MB

高度16000, 23000, 31000, 37000ft(緯度34Nから3530'N)での水平飛行を含む飛行中の航空機内において、DBM線量測定器及び多重波高分析器にNaI(Tl)シンチレーション検出器(3インチ及び2インチ球形、3インチ3インチ、2インチ2インチ、1インチ1インチ)を備えて宇宙線観測を行った。本測定は、環境線の精密測定の際必要となる各検出器の宇宙線感度情報の取得が主目的であり、宇宙線強度の高度分布、エネルギーバンド情報間の相関、検出器重量による宇宙線応答特性等を明らかにした。また、3MeV以下の領域における地上での宇宙線寄与分を各検出器について推定し、3MeV以上の全計数率を指標とした場合、照射線量率相当値換算(単位はR/h)でそれぞれ0.23(3インチ球形)、0.22(3インチ3インチ)、0.23(2インチ球形)、0.26(2インチ2インチ)、0.29(1インチ1インチ)の値を得た。これらの結果は、環境線測定の際の宇宙線寄与分の評価のために有用な情報を与えるものである。